2005年 07月 15日
「アメリカの鏡・日本」 ヘレン・ミアーズ著 当ブログの右サイド下方「ライフログ」に追加しました。 恥ずかしながらお小遣いが無くて、新版ではなく抄訳版の方を買って読みました。 抄訳版の方が二章少ないそうです。 近代史に詳しい方にとっては既知の本かもしれませんが、私は先日産経新聞で紹介されていたのをきっかけに購入しました。 これは、戦後の占領政策中にGHQ側の著者が出版したものの、当時の日本では発禁になった本です。 著者ヘレン・ミアーズがこの本で試みているのは、日本が鎖国政策を解き太平洋戦争で敗戦に至るまでの過程を客観的に分析し、全編にわたって日本の立場で考え、民主主義国家として指導的役割を果たすはずのアメリカの鏡として日本を捉えようとしていることです。 ですから、日本のことを良いことも悪いことも書いてますが、それ以上に母国アメリカのことを痛烈に批判しています。 20世紀前半の極東アジアにおける情勢の理解が深まるのはもちろんですが、現在のアメリカのスタンスも理解できると思います。 と同時に、日本が今後どのような道を歩むべきか、というトコロまで思考が及ぶと思います。 この本を憂国的・愛国的な方が読んだとしたら、「うんうん、やっぱりそうか」と、頷ける部分が多いと思います。 方や、「日本は戦前戦中にアジアの国々に悪いことをしたんだぁ~」派の方が読んだとしたら、「他の国がどうあれ、日本が悪いことをした事実に変わりは無い。」と思うかもしれません。 ま、感想は人それぞれですから。 ただ、私がこの本で思ったことの一つは、戦争に至る過程の分析もせずに負けた国の責任だけが問われ続けることが、どれだけナンセンスで無意味なことか。 その意を強くしました。
by k_milliard
| 2005-07-15 11:35
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