2004年 11月 24日
久しぶりに長文になりますが、ご了承を。 私はワケあって、11月だけ土日祝に警備のバイトをしています。 ワケって、家計の足しにしたいだけですが・・・(苦笑 警備の現場は、とある紅葉スポットで、仕事の内容は臨時駐車スペースでの交通整理です。 もう少し詳しく説明すると、紅葉スポットから少し離れた場所に駐車場があるのですが、駐車できる台数も限られているため、そこから更に離れた路上を臨時の駐車スペースとして利用することになっています。 駐車場から臨時駐車スペースの間は、地形の問題から駐車禁止になっています。 で、私はその臨時駐車スペースの開始点に立ち、駐車禁止区域に駐車しようとする車に対して臨時駐車スペースに駐車するように促すのが私の主な仕事の内容です。 話の前提はここまで。 まず、この仕事の感想は、警備の仕事自体が初めてということもあり、今までに無い経験が出来てとても勉強になってます。 特に、駐車禁止区域なのに「自分だけ特別に駐車させろ」という観光客の車に移動してもらうときに、実にいろんなタイプの人がいて面白いです。 横柄な言葉使いの人はたくさんいました。 印象に残っているのは、一見フィリピン人かと見紛うような顔にサングラスをかけた暴力のプロの方々が乗る高級車とか、ガラの悪いヒップホップ系の若者達が乗るボックスカー。 しかし、その何れもキッパリ断って移動してもらっていたので、私は駐車禁止区域に車を1台も駐車させたことはありませんでした・・・今日までは。 私としては屈辱だったのですが、今日(23日)、初めて駐車禁止区域に車を駐車させてしまいました。 まず、白のハイエースワゴンが駐車禁止区域に停車し、他の車と同様、 「ここに駐車させて欲しい」と訴えてきました。 訴えているのは運転席の30代の男性。 私はそこが駐車禁止であることを告げると、 「身障者がいるから、あんまり歩かせたくないねん」と言いました。 確かに、その場所から紅葉スポットまで歩けば10分以上もかかるので、どの観光客も出来るだけ紅葉スポットに近い場所に駐車させようとします。 ですが、他の車にも言っているように断っていると、 「おまえ名前なんて言うねん」と、少し威圧的にでてきました。 後部座席には子供と思しき気配が。 おそらく身障者と言うのは、この男性の子供のことでしょう。 私は困り、「許可証(身障者のために発行される駐車禁止区域でも駐車できる許可証のこと)は持ってるんでしょうね?」と訊くと、 「あるある」と言いながら許可証と思われる何枚かのカードを提示してきました。 しかし、どうも以前見た許可証とは違うような気がするけど、自信がない。 私は、先ほどの威圧的な態度といいこの許可証といい、ちょっとコイツ怪しいな、とは思いました。 ですが、もしここで断ったがためにあとでトラブルにでもなったら嫌だなという気持ちが先立ち、渋々この車の駐車を許可してしまいました。 そんなやり取りをしていたせいもあり、路上はちょっとした渋滞になっていたので私は交通整理をしていると、駐車を済ませた彼ら親子の姿はもう見えなくなっていました。 身障者がいるという割りに、居なくなるのが早いなー、と。 しばらくして、私はペアを組んでいたバイト仲間のおじさんに、こういうワケで車を駐車させてしまったことを説明しました。 すると、そのおじさんの奥さんは少し体の具合が悪いらしく、本物の許可証を持っているというので、早速その車のダッシュボードに置かれてあった許可証と思われるモノを見てもらうと、 「あ、これ偽物」とあっさり偽物と判明。 いやらしいのは、「許可証」と書かれた部分だけ見えるように上手くカードを重ねて置いてあるので、本物を知らない人が見たら本物かどうか分からないようになっていたんです。 次に、警備本部に連絡して社員の方に来てもらい事情を説明すると、こうやって身障者を騙って違法駐車する人がたまにいるらしい、とのこと。 「この車もきっとそうだけど、しょうがないから無視しておいて」と言われました。 で、私の無知がいけなかったのだが、例え本物の許可証であったとしても観光地では使えないと言うことでした。 つまり、自宅の前とか普段利用するお店の前とか、生活するのに必要な決められた場所でしか許可証は使えないのです。 冷静に考えればそうだろうなとは思いましたけど、そこまでの判断が出来なかった自分が悔しい。 その後、私はその親子が戻ってくるのを見てやろうと思いました。 その子供が本当に身障者なのかを確かめなくては、私の気が済まなかったのです。 駐車から約2時間後。 紅葉を楽しむにはタップリな時間の後、その親子は戻ってきました。 父親の横にいたのは、急な上り坂をしっかり自分の足で歩く小学4年生くらいの女の子でした。 私は警備本部の社員の指示を守り無視を決め込んでいましたが、いかんせん怒りで震える私のキツイ視線が気になるのか、親子は二人とも私の視線を外し、そそくさと車に乗って行ってしまいました。 キッパリ断れず、しかも偽の許可証だと見破れなかった自分が悔しい。 身障者についての知識が乏しかったことも恥ずかしい。 しかし、この言いようの無い怒りをどう表現したらいいのか。 自分の子供をダシにして身障者を騙り、特別扱いを受けようとするその卑しい根性。 汚い言葉を使うのは本意ではないし軍曹様の足元には到底及ばないが、今回はあえて言わせて欲しい。 このクソ野郎! 私には経験則から得た「善人面の一般人こそ、やるコトがエゲつない」という持論があります。 今回、そのことを確信しましたね、ホント。 だって、暴力のプロだって筋の通った説明をしたらちゃんと移動してくれましたもん。 よくあんな汚い手口を子供の前でやれるよな。 自分の子供がどう思うのか考えたことあるのか、あの父親は。 それに、偽の身障者を騙るなんて、最低だぞ。 弱者を盾に利用したのが何よりも許せん。 正に、「弱者を盾にすれば嫌とは言えまい」という汚い作戦に私はまんまとハメられたワケか。 ペアを組んだおじさんがこう言ってましたよ。 「本当の身障者ならこんなことしませんよ。ちゃんと決められた場所に停めますって」 本当の身障者のことまで汚しやがって。 もう、なんて言っていいのか分からんわっ! 私のこの嫌な気持ち、しばらく治まりそうにないですが、ここにでも書いて発散しないとモタなかったので・・・ 最後まで読んで下さった皆様、私のこの経験が何かの役に立てたら幸いです。 世の中って汚い奴がいるんだな~・・・(グスッ 長々と駄文、失礼しました。
by k_milliard
| 2004-11-24 07:43
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